いよいよ処置の当日、1月16日。 わかってはいたけど、やっぱり緊張する。 朝の点灯も一斉ではなく、看護師さんが各部屋を回ってつけてくれるようで。 アラームで起きることができ、声をかけられた時にちゃんと返事ができた。 朝食がないと、朝の時間もけっこう長い。 他のスタッフさんも予定を把握してくれてて「9時くらいに(フレーム付けの)出発になるので、その前にお手洗いなど済ませて下さいね」と声かけに来てくれる。 病室から移動することを「出発」って言うんだなと、なんか新鮮。
支度ができたところで、夜につけた針に点滴の管をつないでもらい、準備完了。 9時過ぎ、スタッフさんが来てくれて出発。 その日、あと2人ガンマーの処置がいるそうで、隣の部屋の女性、少し離れた部屋の男性に声をかけ、みんなで1列に並んで、点滴スタンドを転がしながら歩く。 入院棟の端の、関係者以外厳禁のドアをカードキーで開けたスタッフさんが、みんなをエレベーターに案内してくれて、B3階に降りた。 受付でリストバンドと名前確認をしてもらい、次の待合室で、スタンドを持ったまま座って待つ。 担当看護師さんが名前を確認して流れの説明。 3人の中で、まず私がフレームをつけて一旦病室に戻るらしい。 まず1人呼ばれ、処置室へ案内される。 処置台に座るように言われ、足を伸ばしたまま台に乗る。 両側に看護師さんがサッとつき、指先に器具をつけ、処置を始める。 背中にクッションが当てられ、両側にもクッションが押し付けられる。 がっちりガードされた感じ。 目の前にU先生とあと2人。 放射線科の先生だと簡単に紹介され、「よろしくお願します」と挨拶した。 U先生が「少し眠くなるお薬を入れますね」と言ってくれ、その少し前から少しだるくなってて目を閉じてた私。 「すでに眠くなりました」と返事をし、「眠くなりましたか」と先生の声が聞こえたのが最後で、それから何も、覚えていない。
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気がついたら、目の前に、キャッチャーが被るマスクみたいな縦横の枠(かぶったことはないけどそんなイメージ)が見えて。 枠の隙間から、天井が見えて、ああ、横になってるんだ、と思った。 誰か(たぶん看護師さん)が「あ、気がつきました?」と声をかけてくれて。 「お手洗い大丈夫ですか?」と聞かれて「大丈夫です」と答えて。 その後、時間が経ったのかわからないけど。 誰かの顔が見えて、「それでは今から向かいますね」と声をかけられ。 「移しますね」と声をかけられて、両側からたぶんストレッチャーに乗せられた。 天井が見える中、ゴロゴロとストレッチャーで運ばれ。 床の継ぎ目の所だと思うけど「すこし揺れますよ」とか声をかけられ、ちょっと頭を上げて。 右左に曲がりながら、ストレッチャーで運ばれ。 エレベーターに乗り、最後にどこかの部屋に入った。 「また眠くなりますね」とか声をかけられ。 それからまた何も、覚えていない。
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また気がついたら、病室に戻って寝ていた。 頭にきつめの包帯がグルグル巻かれて。 処置のせいか包帯のせいか、ちょっと頭が痛い。 「終わりましたよ」と看護師さんに声をかけられた。 こんな時なのに、なんか、なぁんにも覚えていないことが、ちょっと残念な気さえした。 もちろん、かなりの痛みがあるんだろうから、全身麻酔をしてもらってるんだろうけど。 思っていたより早く、13時過ぎくらいに処置はすべて終わっていた。
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食を運んでこられて「大丈夫だったら食べて下さいね」と声をか けられた。 昼食は、豆腐ときくらげのスープ、豚肉の生姜炒め、キャベツと ニンジンの煮びたし、きゅうりのナムル、おにぎり。 夜から何も食べてないからおなかは空いてるはずなのに、さす がの私も手の運びが遅くて。 でも、またまたこんな時だけど、全部美味しくて。 栄養管理されてるのにしっかり味付けがしてあって、美味しい なぁと思いながらゆっくりゆっくり食べて、全部食べ切ることが できた。
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夕方、O看護師さんが来てくれて、ずっと寝てたからか、ずれた包帯を巻き直してくれた。 4ヶ所のネジ?止めの痕にガーゼと包帯を止めてあるんだけど。 少しだけ後ろ側が出血してたみたい。 たぶん頭を枕に押しつけてるからなんだろうな。 寝て起きたら、少しだけ頭痛があったけど、話したら夕食の時に痛み止めを飲むことになった。 術前に心配してた、激しい頭痛や吐き気がなくて、とてもホッとしていた。 ちょっと部屋を歩いたりトイレに行ったりもできたので、無事に終わったんだなと安心できた。
夕食は、ワカメとほうれん草の味噌汁、鮭のムニエルインゲン添え、枝豆・油揚げ・ニンジン入りのひじき、大根の梅肉和え、そしてたこめし。 とても美味しくいただけた。 ムニエルって、小麦まぶしてバターで焼く、っていうイメージしかなかったのだけど。 ぱっと見、塩焼き?に見えた。 ヘルシーに仕上げてるんだろうな。
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入院二度目の夜。 ちゃんと21時に消灯して寝ようとしたのだけど。 体調もそんなに悪くなく、昼間に寝すぎたからか、全く眠くなくて。 トイレの電気をつけてドアを開け、その中で荷物の片づけをゆるゆると、翌日の退院の準備をした。 今回、本当に個室に入れてラッキーだった。 短期だったからだけど、人のことを気にせずに1人だけでゆっくり過ごすことができた。 本当に感謝。
それにしても、本当になかなか寝付けなくて。 夜中、ちょっとだけ日記を更新したりして。
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いろんな方に勇気をいただき本当にありがとうございました。 ガンマーナイフ処置、無事に終わったようです。 幸い、未経験のMRIの造影剤や全身麻酔なども、気持ち悪くなることもなく。 先生にお話いただいたように、気がついたら終わって、病室に戻ってたという状態で。 さすがに少し頭が痛かったりはしたけど、たぶんとても軽かったようだし。 万が一のことも、3000人に1人くらい亡くなることもある、と言われたけれど、2999人のほうだったようで。
ただ、ガンマーナイフは手術とは違うので、患部を切除して良くなる、というわけではなく。 結果が見えるのに年単位時間がかかるそうで。 これからがいろんな症状が出たりする、ということを覚悟して、また定期的にMRIの検査が必要となるらしく。 まずは、生かしていただけたことに、とても感謝しています。
私くらいの病気や入院で大騒ぎするんじゃないよ、と思われる方もきっとたくさんいると思うけど。 自分にとっては、本当にオオゴトで。 特に家族や大事な友人にとったら、心配するしかなくて、たくさん不安だったと思います。 ほんとは消灯を過ぎて寝なきゃいけないんだけど。 安心したからか、今日ひたすら寝てたからか、布団に入っても、すぐに寝つけず。 ちょっとだけ、感謝を込めて書いてます。 もしかしたらまた、言葉にまとめるかもしれないので、よかったらまた見てやって下さいね。 | |
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ゆっくり横になりながら、夜が更けるのをゆっくり待っていた。 明け方になり。 真っ暗な空が、少し明るくなってくるのを見て。 病室の隣の談話室に行ってみた。
消灯中だけど、廊下やスタッフステーション、この談話室は明るくて。 病室の窓にはブラインドがついてるけど、談話室の広々とした窓からは、夜景がとてもよく見えて。 明けていく空をゆっくり眺めていた。
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| | | | 明けの明星も、日の出も、心にしみるほどとてもきれいだった。
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