Sick Diary 2


2024年1月16日
処置当日 … いよいよ
いよいよ処置の当日、1月16日。
わかってはいたけど、やっぱり緊張する。
朝の点灯も一斉ではなく、看護師さんが各部屋を回ってつけてくれるようで。
アラームで起きることができ、声をかけられた時にちゃんと返事ができた。
朝食がないと、朝の時間もけっこう長い。
他のスタッフさんも予定を把握してくれてて「9時くらいに(フレーム付けの)出発になるので、その前にお手洗いなど済ませて下さいね」と声かけに来てくれる。
病室から移動することを「出発」って言うんだなと、なんか新鮮。

支度ができたところで、夜につけた針に点滴の管をつないでもらい、準備完了。
9時過ぎ、スタッフさんが来てくれて出発。
その日、あと2人ガンマーの処置がいるそうで、隣の部屋の女性、少し離れた部屋の男性に声をかけ、みんなで1列に並んで、点滴スタンドを転がしながら歩く。
入院棟の端の、関係者以外厳禁のドアをカードキーで開けたスタッフさんが、みんなをエレベーターに案内してくれて、B3階に降りた。
受付でリストバンドと名前確認をしてもらい、次の待合室で、スタンドを持ったまま座って待つ。
担当看護師さんが名前を確認して流れの説明。
3人の中で、まず私がフレームをつけて一旦病室に戻るらしい。
まず1人呼ばれ、処置室へ案内される。
処置台に座るように言われ、足を伸ばしたまま台に乗る。
両側に看護師さんがサッとつき、指先に器具をつけ、処置を始める。
背中にクッションが当てられ、両側にもクッションが押し付けられる。
がっちりガードされた感じ。
目の前にU先生とあと2人。
放射線科の先生だと簡単に紹介され、「よろしくお願します」と挨拶した。
U先生が「少し眠くなるお薬を入れますね」と言ってくれ、その少し前から少しだるくなってて目を閉じてた私。
「すでに眠くなりました」と返事をし、「眠くなりましたか」と先生の声が聞こえたのが最後で、それから何も、覚えていない。

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気がついたら、目の前に、キャッチャーが被るマスクみたいな縦横の枠(かぶったことはないけどそんなイメージ)が見えて。
枠の隙間から、天井が見えて、ああ、横になってるんだ、と思った。
誰か(たぶん看護師さん)が「あ、気がつきました?」と声をかけてくれて。
「お手洗い大丈夫ですか?」と聞かれて「大丈夫です」と答えて。
その後、時間が経ったのかわからないけど。
誰かの顔が見えて、「それでは今から向かいますね」と声をかけられ。
「移しますね」と声をかけられて、両側からたぶんストレッチャーに乗せられた。
天井が見える中、ゴロゴロとストレッチャーで運ばれ。
床の継ぎ目の所だと思うけど「すこし揺れますよ」とか声をかけられ、ちょっと頭を上げて。
右左に曲がりながら、ストレッチャーで運ばれ。
エレベーターに乗り、最後にどこかの部屋に入った。
「また眠くなりますね」とか声をかけられ。
それからまた何も、覚えていない。

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また気がついたら、病室に戻って寝ていた。
頭にきつめの包帯がグルグル巻かれて。
処置のせいか包帯のせいか、ちょっと頭が痛い。
「終わりましたよ」と看護師さんに声をかけられた。
こんな時なのに、なんか、なぁんにも覚えていないことが、ちょっと残念な気さえした。
もちろん、かなりの痛みがあるんだろうから、全身麻酔をしてもらってるんだろうけど。
思っていたより早く、13時過ぎくらいに処置はすべて終わっていた。


2日目・昼食
食を運んでこられて「大丈夫だったら食べて下さいね」と声をか
けられた。
昼食は、豆腐ときくらげのスープ、豚肉の生姜炒め、キャベツと
ニンジンの煮びたし、きゅうりのナムル、おにぎり。
夜から何も食べてないからおなかは空いてるはずなのに、さす
がの私も手の運びが遅くて。
でも、またまたこんな時だけど、全部美味しくて。
栄養管理されてるのにしっかり味付けがしてあって、美味しい
なぁと思いながらゆっくりゆっくり食べて、全部食べ切ることが
できた。


昼食を食べた後は、たぶん寝たり起きたりしてた気がする。
あまり記憶がない。
頭もちょっと痛かったし、何もする気にならなかった。

夕方、O看護師さんが来てくれて、ずっと寝てたからか、ずれた包帯を巻き直してくれた。
4ヶ所のネジ?止めの痕にガーゼと包帯を止めてあるんだけど。
少しだけ後ろ側が出血してたみたい。
たぶん頭を枕に押しつけてるからなんだろうな。
寝て起きたら、少しだけ頭痛があったけど、話したら夕食の時に痛み止めを飲むことになった。
術前に心配してた、激しい頭痛や吐き気がなくて、とてもホッとしていた。
ちょっと部屋を歩いたりトイレに行ったりもできたので、無事に終わったんだなと安心できた。

夕食は、ワカメとほうれん草の味噌汁、鮭のムニエルインゲン添え、枝豆・油揚げ・ニンジン入りのひじき、大根の梅肉和え、そしてたこめし。
とても美味しくいただけた。
ムニエルって、小麦まぶしてバターで焼く、っていうイメージしかなかったのだけど。
ぱっと見、塩焼き?に見えた。
ヘルシーに仕上げてるんだろうな。

入院二度目の夜。
ちゃんと21時に消灯して寝ようとしたのだけど。
体調もそんなに悪くなく、昼間に寝すぎたからか、全く眠くなくて。
トイレの電気をつけてドアを開け、その中で荷物の片づけをゆるゆると、翌日の退院の準備をした。
今回、本当に個室に入れてラッキーだった。
短期だったからだけど、人のことを気にせずに1人だけでゆっくり過ごすことができた。
本当に感謝。

それにしても、本当になかなか寝付けなくて。
夜中、ちょっとだけ日記を更新したりして。

無事でした   (夜中のブログ)
いろんな方に勇気をいただき本当にありがとうございました。
ガンマーナイフ処置、無事に終わったようです。
幸い、未経験のMRIの造影剤や全身麻酔なども、気持ち悪くなることもなく。
先生にお話いただいたように、気がついたら終わって、病室に戻ってたという状態で。
さすがに少し頭が痛かったりはしたけど、たぶんとても軽かったようだし。
万が一のことも、3000人に1人くらい亡くなることもある、と言われたけれど、2999人のほうだったようで。

ただ、ガンマーナイフは手術とは違うので、患部を切除して良くなる、というわけではなく。
結果が見えるのに年単位時間がかかるそうで。
これからがいろんな症状が出たりする、ということを覚悟して、また定期的にMRIの検査が必要となるらしく。
まずは、生かしていただけたことに、とても感謝しています。

私くらいの病気や入院で大騒ぎするんじゃないよ、と思われる方もきっとたくさんいると思うけど。
自分にとっては、本当にオオゴトで。
特に家族や大事な友人にとったら、心配するしかなくて、たくさん不安だったと思います。
ほんとは消灯を過ぎて寝なきゃいけないんだけど。
安心したからか、今日ひたすら寝てたからか、布団に入っても、すぐに寝つけず。
ちょっとだけ、感謝を込めて書いてます。
もしかしたらまた、言葉にまとめるかもしれないので、よかったらまた見てやって下さいね。

また長い夜



ゆっくり横になりながら、夜が更けるのをゆっくり待っていた。
明け方になり。
真っ暗な空が、少し明るくなってくるのを見て。
病室の隣の談話室に行ってみた。

消灯中だけど、廊下やスタッフステーション、この談話室は明るくて。
病室の窓にはブラインドがついてるけど、談話室の広々とした窓からは、夜景がとてもよく見えて。
明けていく空をゆっくり眺めていた。




明けの明星も、日の出も、心にしみるほどとてもきれいだった。