2001.5.30
小公演へ始動!
昨年、市民ミュージカルで、娘と二人、とてもいい経験ができた。
市民会館の大ホール(1200人客席)の舞台で、ミュージカルの舞台に立つなんて、そうそうやれることじゃない。
終わった直後も、娘、「またやりたい!」って言ってたしね。
冬から、次の企画の話がでていた。
次、つまり今年の夏に、数回のワークショップ(練習っていうのかな)と、その発表みたいな感じの小公演を立ち上げる。
そしてまた来年、大人数での、大がかりなミュージカルを一つ、企画する。
そんな心づもりで、話が進んでいた。

大人数の人が集まって、何かをやろうとする。
大人数だけに、それぞれの意見も利害も、一致しないことがあるよね。
それはそれで当然のことだし、折り合おうとすることが大事だと思うんだけど。
どうしても折り合えない、どうしても相手の考えに納得できない。
こう思ってしまったら、一緒に何かを作り上げるのは、難しいことになってしまう。
少なくとも、企画や運営をしようとする人は、同じ方向性でものを考えなければ、先に進まなくなってしまうしね。
どこにでもあるようなことかもしれないけど、私、久しぶりにこういう体験をした。
昨年、楽しいことが楽しくなくなってしまうような経験をした。
直接関わったわけじゃないから、厳密な上で、なにが正しいのか、いまだによくわからないけど。
それでも私、一般メンバーではなかったから、ほんの少しでも、実行委員に関わったから、双方を支持することはできなかった。
なんとなく漏れ聞く話でだけど、私が納得できる考えの方を支持した。
今回、今年〜来年のプロジェクトを立ち上げるにあたって、どうしてもやらなきゃいけなかったこと。
それが、実行委員会の中で、意見や方向を一本化することだった。

もめ事が起きたとき、いつも思うんだけどね。
みんなが丸く収まる方向なんて、あるわけがない。
誰かの意見が通るとしたら、誰かが意に反した行動をとらざるをえなくなる。
仕事で、どうしても一緒にやらなきゃいけないのならいざ知らず、趣味の活動なら、意見が合わないのにどうして一緒に行動する必要がある?
それぞれに別れて、お互い、やりたいことをやればいいでしょう?
確かに、グループ化することは、人数的にも経済的にも、大変になるかもしれないけど。
それだって、お互いが嫌な思いをしながらするよりは、絶対にやりがいがあることだと思うもの。
こういう考え方って、排他的、ワンマンって評されるんだろうか。
私としたら、結果オーライとしか、言いようがないのだけどね。
いろいろないきさつがあって、結果的に、昨年の活動母体が、二つに別れることになった。
お互い、思うものを作り上げて、がんばればいいんだよね。
それがお互いにとって、一番よかったことだったんじゃないかと思う。

それで今回、実行委員の一員として、ひきつづき、私も加わることにした。
今年の仕事は、役所との連絡係兼、広報メンバー兼、事務メンバーといったところかしら。
つまるところ、雑務係かもしれないけど…(^^ゞ
実行委員長さんをサポートしながら、制作サイド(演出・音楽など、実際の舞台を作るグループ)と連携して、裏側の作業を進めていく係。
それをやりながら、娘ともども、オーディションを受けることになり、さらに忙しくなりそう。
もともと、舞台に出たくて、参加した企画だもの。
できることなら、裏方だけじゃなく、舞台に参加したかったんだよねえ。
今回、稽古日程がとても少なく、だから何とか、やれるかな、って言うところだけど。
いろいろ、やらなきゃいけないこともたくさん、不安でたくさんだけど、去年からの流れをリニューアルした、市民ミュージカルの活動がいよいよ、始動した。

2001.6.29
オーディション2001
6月24日(日)。本年度のミュージカル小公演の、オーディションが実施された。
とにかく、前日まで、いろいろ忙しかった。
自分のことはさておき。
受付業務など、スムーズに進むだろうか。名簿の手落ちはないだろうか。
そんなことばかりが気になって、胃がキリキリ痛む気がした。

開始時間の前。12:00に実行委員が集合し、会場設定、受付の準備などを始めた。
そうなんだよね…。去年もこうして、準備されてたんだよね。
去年は、一般参加者だったから、なにも思わずに来たんだけどね。
裏方って、ほんとに大変なんだよね。
ひととおり、他の実行委員さんに説明した後は、オーディション参加者として、課題の練習をすることにした。
今回は、英語のミュージカル。
小学6年生の男の子二人が、魔法のキャンディーで、いろんな世界をのぞきに行く。
ありの世界、インディアンの世界、宇宙、そして、エイリアンの世界と旅し、それぞれの世界のダンスを見てくる。
人生って楽しいね。ちょっと見方を変えると、もっともっと楽しくなるよね。
「Life is full of Dance」。そんなミュージカルだ。
主人公が子供ということで、小学生や中学生が、たくさん応募してきていた。
うちの娘も、一緒に受けることになっていて、もちろん、英語は読むことも話すこともできない。
昨年参加したりほちゃんやあやちゃんたちと一緒に、オーディション開始までに、とにかく教えることにした。
小さい子は、ラララでいいということだったから、メロディーをくり返し、覚えさせた。
たった20小節のテーマ曲だけど、くり返し歌っている間に、開始時間になった。

そうそう、今回のオーディション、ケーブルTVの取材が入ったのよ。
前の公演の時も、いろいろ取材をしてもらったり、放送してもらったのね。
地域活動の一環として、取り上げてもらってたの。
それで、今年もやるってことで、取材をしてくれてね。
TVカメラがあるところで、オーディションって、緊張するかなあ…なんて思ったんだけど、始まってみたら、そんなの気にしている余裕はなかった。
子供が多いから、付き添いの保護者もけっこういる。
去年のメンバーも、どことなく緊張した表情を見せている。
最初、主催者の挨拶があって、実行委員の挨拶もあった。
審査員の横に立ちながら、みんなの顔を見回し、不思議な感じだった。
そう、昨年のこの場所で、娘の手を握り、ほんとに緊張してた。
初めてみる仲間との同席。 目の前の机に並んだ審査員。
これから何をさせられるのか、よくわからないという不安。
固くならない方が不自然だよね。
そんな表情を見ながら、これからみんなで一つの舞台を作り上げて行くんだ…という意識が、どんどん胸に広がるのを覚えた。

最初は、歌の審査。 ミュージカルのテーマ曲を、全員で練習し、1人ずつ歌う。
名簿では、小学1年生から一般という学年順にしていたんだけど、英語の歌ということもあって、番号が一番最後の、大人から審査することになった。
全員が同じ部屋の中で順番を待ち、自分の順番の3人くらい前にスタンバイし、1人が歌い終わったらすぐに替わるという流れ作業になった。
名簿順に名前を呼んだり、ピアノ伴奏に合わせて、メロディーを小さく弾いたりと、お手伝いをしているうちに自分の順番になった。
逆に、緊張している暇がなかったから、よかったのかもしれない。
最初、声が震えてるかな…と思ったんだけど、審査員の方を見ながら、歌えたと思う。
昨年の出演者だったSさんとKさんが、伴奏の補助や番号案内を手伝ってくれて、私は、娘たち去年の出演者の子のそばで、違った緊張をしながら待っていた。
りほちゃんもなっちゃんも、無事に歌い終わり、いよいよ、娘の番。
あと数人というところで、スタンバイしている娘が、すぐあとのさゆりちゃんに「ドキドキしてるー」とジェスチャーしているのが目に入った。
うちを出るときには、「ぜーんぜんきんちょうしてないよ」って言ってたのにね(*^_^*)
時間的に、英語の発音を教えるのが不安で、ラララで歌わせたのだけど、ちゃんと声も出ていたし、がんばってたと思う。
娘のあと、さゆりちゃん、それから1年生の男の子2人が歌い、歌の審査が終わった。

さあ、次は緊張のダンスの審査。
演出のH先生のダンスって、リズミカルでかなりハード。 振り付けが難解なのね。
(もちろんダンスの経験が豊富な人なら、すぐに覚えるんだろうけど…)
まずは2グループに分かれて、少しずつ先生の振り付けを教えてもらう。
全部で、16小節くらいのパートだと思うんだけど、大変だよお…。
十分柔軟をしていなかったせいで、左足が筋肉痛になってしまったけど、そんなこと言っていられない。
とにかくついていかないと…。この振り写しから、審査に入ってるんだものね。
「上手下手、きれいにまとめるより、パッションを感じるようにダイナミックに踊って。」
そういう指示があったから、とにかく、勢いにまかせて踊った。
全部のパートの振り写しが終わった後で、いよいよ、順番に審査。
娘、照れ笑いをしながら、とても緊張気味になんとか動いていた。
私の順番になった。
並んだとたん、頭が真っ白になり、2小節くらい、完全に抜けてしまった。
幸い、3回くらい踊ったから、2回目からは立ち直って、なんとか通せたけど。
うん、とりあえず、終わった。

その後、演技の審査の前に、第一次審査が行われることになり、私たちは別室で待っていた。
今回、英語のミュージカルだというせいかもしれないけど、何人か選んで、その人たちだけが演技の審査を受けるのだという。
今回のミュージカルも、出演希望の人は全部、出してもらえるということになっていた。
その中でも、セリフがある役や、名前のついた役があるのね。
そのために審査があるのだけど、そうじゃない役についた人が、大事じゃないってことではない。
歌の中にその人だけのセリフがあったり、それぞれに見せ場を作ってもらえるミュージカルになってるのね。
昨年もそうだったけど、そういう姿勢で制作するミュージカルって、いいなって思う。
商業演劇には、ないだろうなって思える姿勢だと思う。
20分くらいの審査の後で、番号の発表があった。
私、番号を呼んでもらえた。
娘は、残念ながら、選からはずれた。
さゆりちゃんもなっちゃんも、選ばれなかった。
「英語のセリフだもんね。仕方ないよ。」 そう娘たちをなぐさめた。
その後、ミュージカルのセリフを使った審査があり、全部のオーディションが終わった。
それから最終審査に入り、その日のうちにキャストを決定し、2〜3日中には、各家庭に連絡が入るということになっていた。
私の、実行委員としての今日のお仕事は、とりあえずここでおしまい。
他の参加者と同じように、発表を待つことになった。
気持ちが高揚していた分、家に帰ると、ものすごい疲労感を感じた。

夜、8時過ぎだったか、主催者のI先生から電話があった。
娘は、ありの1人になり、しかもセリフをいくつか、もらうことになったという。
そして私は、エイリアンの1人。
しかも、追加して作曲されたデュエット曲(他の曲と違って、かなり高音まで出す、ミュージカルナンバーらしい曲らしい)の片方のパートをもらうことができた。
今回、音大の声楽科出身の人が、数名しかいなかったのが幸いしたのね、きっと。
私の相手は、昨年一緒に舞台に出たNさん。(とある音大の声楽科の学生さん)
がんばって練習しないと…。
それよりも、娘、大丈夫かしら? 英語のセリフに歌があるよお。
せっかくもらった役に、親子してしっかり取り組まないとと思った。
冗談にも、「実行委員やってるからもらった役」なんて、思われたくないもんね(^^ゞ
最初のレッスンが、7月15日。
今からとても楽しみで、少し不安…。
ともかく、こうして、今年のミュージカル小公演への道は、始まったのだった。