2000.4.19
♪がんばってる横顔♪
先日のオーディション。
時々、思い出したりしている。
ちょっと書き忘れていたことっていうか、友達に触発されて、思いついたことがある。
もう少しだけ、書くことにするね。

オーディションの、ダンスの時。
私、最初は娘の手をつないでいた。
「みなさん、適当に広がって!」という先生の声で、その手を離した。
その時から私、自分のことで、必死になっていた。
前半の、全員が踊るところでは、まだそれでも、娘のことは時々気にしてた。
何人かにわけて練習&審査されてる時は、他の人がやってる時、後ろでこそっと「みーぎ、だして、ひだり、とんとんとん」なんて、指導してた(^^ゞ
それがね。
「はい! 1番目の前半グループ、こっちへ来て!」って、自分たちが呼ばれたとたん。
私の意識の中から、娘、すっかり抜け落ちた。
聞こえるのは、音楽と先生のカウント。
自分の手足、ちゃんと動いてるか、次の振り、どうなってたか。
たったそれだけが、30秒という短い、でもとんでもなく長く感じる時間、私の脳裏を駆けめぐっていた。
終わった瞬間、娘のこと思い出して、脇を見下ろすの。
だからね(^^ゞ
私、娘がどんな風に踊ってたのか、どんな風にやっていたのか、まったく見ていなかった。
残念だったなあ…(^^ゞ
彼女にとって、一生に一度しかない、初めてのダンスのオーディション現場。
私、立ち合ったにも関わらず、まったく記憶にとどめていない。
とっても惜しいこと、したのかもしれない…(^^ゞ

私が後半にも選ばれて、振りを覚えようとしていた時。
逆に私、娘を意識してた。
私がダンスをするところ、娘は初めて見る。
私のオーディション風景なんて、この先、見ることがあるかどうか、わからない。
だから、しっかり覚えていてほしいと思った。
私が必死になってるところ、娘に見ていてほしかった。
同じように前半で落とされて、娘の隣に座っていた小1の子がいた。
娘とちょっと仲良くなった彼女の小声が、耳に入った。
「…しーちゃんのおかあさん、しんけんなかおしてるね」
子供たち、見ててくれるんだなって、とっても嬉しかった。
私、意識して、真剣な表情してたから。
子供に、「がんばって!」っていうこと、多いよね。
親だって、ちゃんとがんばるんだよってところ、絶対に見せたかった。
振りも間違えたし、かっこよくなんてできなかったけど。
それでも、真剣な顔して、みんなと一緒に踊ってる私の姿、たぶん、覚えててくれてると思う。

終わった後、娘、ちょっと恥ずかしそうに言った。
「ママ? ○○ちゃんが、ママのこと、じょうずだねっていってたよ」
「そう? ありがとう」
私、流れる汗をぬぐいながら、そう言って笑った。

2000.5.15
♪歩く…歩く…歩く!♪
いよいよ今日から、市民ミュージカルの稽古。
娘、金曜から、体調が悪かった。
GWの疲れが、出ちゃったのかしら…。
おなかが痛かったり、ちょっと熱があったり。
でも今日は、少なくとも、出なくちゃ、そんな風に言っていた。
だって、初顔合わせの日、だったんだもん。
きつかったら、端っこで座っていようね、そう話していた。
12:55pm、練習場所の、娘の通う小学校の体育館へ。

この間のオーディションで、顔見知りになった何人かと挨拶を交わす。
小学生仲間も、ちゃんと来ていた。
演出の先生から、指示が出された。
「5列くらいになって、1組ずつ歩いてもらいます」
小さい子もいるし、私、2組目に入ることにした。
娘がその後ろ、小学生たちが、その後ろに並んだ。
「まずは、何も考えずに歩いて!」
体育館の、縦のスペース、かなり広い空間を、歩く。
背が低いけど、姿勢はいい私。
手足をのばして、歩くのは、わりに好き。
「歩くって、どんなことだろう?」
全員が終わった後、先生から質問が飛ぶ。
いろんな意見が出て、「交互に足を前に出し、重心を移動する」という結論に達した。
「じゃ、そういうつもりで歩いて」
また、体育館の隅まで歩く。
この後、いろんな課題が出された。
体重を半分にして歩く。さらに半分、その半分。最後に、体重を0にして歩く。
体重を2倍にして歩く、さらに2倍、最後に、体重を200sにして歩く。
そのままの自分で、体重だけを、変えていく。
それを感じることが、大事だという。
どう表現するかは、その人次第。だけど、感じて動くことが、大事だという。
小さな子供たち、歩くことに、疲れて来ちゃう。
でもみんな、がんばってたね。
娘も、自分なりに、笑顔でがんばってた。

後半になり、今度は、ステップみたいに振りがつく。
歩いて、歩幅を広げて、重心移動して…。
少しずつ、少しずつ、やることが増えて、難しくなっていく。
前後のターンが入った時、私の後ろの組の娘、泣き出してしまった。
できないことが、悔しかったらしい。
うつむいて、顔をくしゃくしゃにしながら、とりあえずこちらに進んでくる。
近寄って、手を出すのは簡単だったけど、私、じっと見ていた。
体育館の隅まで来たとき、ダンスの先生が近寄り、「大丈夫よ」と手を握ってくれた。
できなくて、泣くのも大事だと思った。
悔しかったら、練習するしか、ないんだもの。
その後、娘を抱きしめ、手を握って歩きながら、「がんばろうね」と一言言った。
娘、泣き顔で、うなずいた。
その後、感情を入れて、「歩く」。
「とっても嬉しいことがあって」「とっても嫌なことがあって」
こういう感情表現は、好きだなあ。
「叱られることがわかっててお母さんの所に歩く」と言われた娘、上手だったよ(^^ゞ
すごく、リアルな表情してた(^^ゞ

最後の休み時間に、スコアと台本をもらった。
登場人物は、10人くらい。
セリフがつく人って、少なかったんだね…。
スコアも、複雑で難しそう。
まだ最終的な、キャスティングは、してなかったみたい。
今日の「歩く」も、オーディションの一部だったらしい。
セリフがつく役、ほんとの一部の人だけみたいだけど、これから、稽古が楽しみ。