2000.3.12
♪ジョイントコンサートの一日 Part.2♪
さて…Part.1の続き。
第2部が始まり、1番目がソプラノの独唱。M先生の伴奏。
オペラのアリア、ちょっと私の不勉強で、知らない曲だなあ。
ピンクの入った赤の、お姫様みたいなドレス。
7分くらいで、歌い終わり、子供からお花を受け取る。
2番目が、ピアノソロ。
ショパンの『バラード1番』と、バッハの『主よ人の望みの喜びよ』。
『バラード1番』聴いてて、緊張が増してくる。
前の人の演奏って、ほんと緊張するのよね。
特に、『バラード1番』は、高3の時、コンクールで弾いた想い出の曲。
やだなあ…緊張してきちゃった。
その場の雰囲気から逃れようとして、私、とんでもないこと、考えついてしまう。
「曲、増やそう!!!」

司会のMさんから聞いてたんだけどね、M先生の発表会&コンサートって、とっても自由なんだって。
直前になっての変更など、全然O.K.だそうなの。
現に、M先生、自分のソロの曲、前日に変更しちゃったんだって(^^ゞ
今日も冗談みたいに、「急に曲増やしたりしても平気よ!!」なんて、言われてたのね。
それが、頭をかすってしまった…。
ショパンの大曲、し〜んとして聴いてる子供たちのことも頭をよぎる。
私が弾くのも、ジャズに映画音楽、大人向けよね。
それならここで、ディズニーメドレー弾いちゃえ!!!
そばに立って、次のアナウンスの準備に余念がないMさんに、突然の申し立てをする。
「そうなの? O.K.よ!」 なんていう、心強いお言葉。
私の次の出番を、控え室で待っていたM先生にも、変更を伝える。
「はい! Mさんに伝えてくれます?」 ほんとに平気なのね…(^^ゞ
予定では、歌7分、クラシック10分の後、私が20分になってた。
たぶんこれで、私、25分くらい、独占することになっちゃった…(^^ゞ

そして、私の出番となった。
楽譜を手にし、Mさんのアナウンスに合わせ、袖から舞台へ。
弾き語りもあるから、譜面台、用意してもらったのね。
ない方がかっこいいことはわかってるけど、まちがって止まるより安全な方を選んだ。
舞台の明かり、まぶしいな…こういうの、好き。
客席の様子、ほとんど見えない。
光の輪の中に向かって、精いっぱいの笑顔を作る。
さあ…いよいよ、私のステージの始まりだわ。

急遽、弾くことにしたディズニーメドレー。
《ミッキーマウスマーチ》→《飛べる!飛べる!飛べる!(ピーターパン)》→《 It'S a small world 》→《星に願いを》。
楽譜なくても、大丈夫な、子供たちがよく知ってそうな曲。
うん、高まってた緊張感が、ちょっとずつほどけていくのを感じる。
これなら、いつものレストランラウンジと、一緒だわよね。
無理矢理、自分を納得させる。
ナレーションを入れながら、プログラム順に、弾いていった。
♪がピアノソロ、☆が弾き語り。


♪ スターダスト(スタンダードジャズ)
♪ ラ・ブームのテーマ(映画「ラ・ブーム」より)
☆ あなたの空を翔びたい(尾崎亜美)
☆ All I Need You (椎名恵)
♪ タラのテーマ(映画「風と友に去りぬ」より)


緊張してたけど、何とか、声も出たみたい。
そうそう、照明もね、ちゃんとうまくやってもらった。
スターダストが青、ラ・ブームが緑、歌2曲が、緑のまま、ミラーボールを。
ラスト、タラのテーマは、赤ということに、お願いしていた。
ピアノを弾きながら、あ…照明変わった♪なんて、嬉しく思ってた。
今まで、クラシックでしか舞台に出たことなかったのよね。
クラシックだと、地明かりそのままの色で、演奏する。
いろんな色の照明、さらに、ミラーボールつきなんて、初めての経験だった。
うん…いい感じだなあ。癖になりそう(*^_^*)
いつものように、何度もミスタッチはあったけど、大きな失敗はなかった。
《タラのテーマ》の、最後の和音を弾き終わり、全身で息をつき、立ち上がった。
温かい拍手が、きこえてくる。うん…これでおしまい。
1部で演奏した、小さな子が、花を持って上がってきてくれる。
光の中で、私、とっても幸せだった。

4番目のM先生も無事に終了し、(司会のMさん、先生とデュエットしたんだよ)写真撮影となった。
心地よい疲労感で、私、おなか空いたな…なんて、考えてた。
緊張が、どっと去った感じ。
一つのこと、やり遂げた達成感って、他の何にも、代え難いものがあるよね。
カメラに向かって、最高の笑顔、してた気がする。
今日の演奏、録音はしてなかったんだって。
ちょっと残念だったなあ…。
その代わり、ビデオを撮っていた人がいたのね。
もし映ってて、可能なら、見てみたいな。
今度、Mさんに、聞いて見ようっと…。
その代わりデジカメで、写真撮ってもらったのを近いうちに、UPしてみるね。
ただ、うちのデジカメ、ズームレンズついてないから、遠い画像になっちゃう(*^_^*)
ごめんなさい<(_ _)>
ほんとに、楽しいジョイントコンサートだった。

2000.4.16
♪久しぶりの汗と緊張感♪
今日、市民ミュージカルのオーディションだった。
元々のコンセプトが、1人でもたくさんの人に、舞台に出てほしいってことだった。
だから、もしかしたら、ある程度歌えたら、出してもらえるんじゃないかなって、かすかな期待、してた。
でも、やっぱりオーディション。
『オーディション』…(*^_^*)
この響きだけで、私、ものすごく舞い上がっていた。

受付開始から、5分くらい遅れて、会場に行った
もうすごい人。大人がほとんどだけど、娘くらいの子供もいる。
受付をすると、娘が1番、私が66番だった。
応募は一緒にしたんだけど、子供を先に、ナンバリングしたみたい。
小学生の低学年くらいが、4人。高学年が、何人か。
高校生以上は、応募順に登録してたみたいだった。
セリフの書いてある紙を渡され、今後のスケジュールも渡される。
それによると、今日のオーディション、落とすためじゃないそうだ。
キャスティングのための、選考オーディションらしい。
最初にそれ、知って、ほんとにホッとした。
セリフも、A4の紙1枚の、わりに長いモノローグだった。
読んでいると、なんだか、緊張がますね。
久しぶり…こういう緊張感。

1:00pm少し前に、オーディションの部屋に入った。
正面に、ずらっと並んでいる、審査員の先生たち。
手をつないでいる娘、なんだか堅くなってるのが、わかる。
無理もないよねえ。こんな経験、初めてなんだもの。
昔受けた、コンクールやオーディションが、オーバーラップしてしまう。
今日の流れの説明と、審査員の紹介がある。
最初に1時間くらい、振り付け指導があるんだって。
…ダンス??? そんなの、ハガキに書いてなかったぞお。
歌(カラオケか伴奏者つきで)と、簡単な演技・セリフ、って書いてあったじゃないの。
でも、仕方ないよね。ミュージカルなんだもん。
30秒くらいは、わりに簡単な振り。
残り30秒が、ちょっと難しい振りで、後半までやる人は、先生が選ぶという。
半分くらい、バレエシューズ、履いてる。
まいったな…そこまで、考えてなかった。
私、思い切って、裸足になった。
この方が、この床なら、安心だわ。

みんなでまとまって、振り写しをしてもらうことになった。
小柄でスリムな女性の先生。
最初6拍子で、次が4拍子… かなり複雑みたい。
かけてもらった音楽は、インドネシアとかタイって感じ、エスニックな不思議な曲だった。
動きも、ちょっと太極拳に似たような、流れのある柔らかな動き。
それに時々、メリハリがつく。
普段、エアロで振り付きのダンスをやってるから、見た動き、ある程度、すぐに動くことができる。
(複雑になったら、もうお手上げだけどね)
頭に入れることができたら、後は思い出しながら、自分らしく踊るだけ。
アップテンポの、いかにもジャズダンスだと、不得意なんだよね。
ゆったりした、ちょっとバレエっぽい動きの方が、まだとっつける。
全員、70名くらいを、練習しながら人数を絞り、最終的に10人ずつくらいのグループで踊った。
この振り写しから、審査されてるんだよね。
「落とす」オーディションじゃないといっても、やっぱり緊張するよ。
前半パートは、覚えることができ、なんとか音楽に合わせて動けた。
もう、その時は、娘どころじゃなくて…。
自分のことだけで精いっぱいだった。
娘も、何となく右左と、動いていたみたい。
いったん審査を中断し、後半パートに移ることとなった。
最後に踊った組で、中央に集まるよう、指示された。
私と娘、第1組の、最初の方だったのね。
1人、1人と、先生に肩を触られ、後半パートの参加を指示される。
幸い私も、「お母さんの方は大丈夫みたいね」と、肩を触られた。
さらに難しくなるっていうの、不安だったけど、やっぱり嬉しかった。
娘…仕方ないよねえ(^^ゞ
小さい子供は、1人も入らなかったもの。
端に座り、同じくらいの子供たちと、話をしながら応援してくれた。
後半パートは、なんかダンスっぽい振りだった。
床に手をついたり、足を横に伸ばしたり、足を高くあげたり、ピルエット(回転)したり。
準備体操、ちゃんとしてなかったから、体きついぞお…。
バレエでもやってるって人は、すんなり動けるね。
いいよ、今日は(^^ゞ
後半に残れただけで、十分だよねぇ…。
汗だくになり、振りを頭に入れるのに必死になり、それでもなんとか終わった。

いよいよ歌の審査。娘たち子供から始まる。
ずらっと並んだ審査員の前で、娘、まっすぐ立っている。
名前と年齢を言い、「よろしくお願いします」と頭を下げた。
部屋の隅のピアノに座った私、おもむろに娘の伴奏を弾き始めた。
娘の声、かすかに聞こえる。
大丈夫かな…審査員には、聞こえてるかしら。
娘、まちがわずに、ちゃんと歌えたみたい。
私、ちょっとミスしちゃった…ごめんね(^^ゞ
でも、ちゃんとやれて、ほんとによかったね。
お友達になった子のお母さんたちと、ちょっとだけ会話を交わし、また会おうねって別れる。
今度は私の番。 まだまだずっと先だけどね。
踊りの時、「緊張しなかったよ?」と言っていた娘。
歌の審査でも、緊張しなかったという。
もし、ほんとだったら、この子、大物だわ…(*^_^*)
待っている間、側にいるお姉さんやお兄さんたちに、かまってもらい、とってもご機嫌な娘だった。

娘の後、2番に受けた子のお母さんが、私と娘に話しかけた。
なんでもその娘さん(うちの娘と同じくらいなんだけど)、3歳から児童劇団で歌っているらしい。
このお母さんも、今日、オーディションに参加するらしいけど、なんか…おもしろいタイプの人ね。
控え室で、娘さんにいろいろ言っていたらしい。
いかにも、ステージママ。
「おばちゃんはうちの子の一番のファンなのよ」だって。
娘に話しかける視線は優しいけど、なんだか、ちょっと私、敬遠したくなるタイプの人だった。
こういう人、児童劇団とかだといっぱいいるのかもしれないね。
普通、初対面の人にする、「謙遜」とか「謙譲」って言葉、知らないみたいだった。
これから一緒に練習をすることになったり、同じ役を娘と争うことになるかもしれないのが、かなり気が重いな。
私だって娘がかわいいけど、人にはえばらないぞ…(^^ゞ
そのお母さんの話は続いてた。
「おばちゃんね、体操の先生をして、介護のお仕事をして、何とかかんとかして、何とかかんとかして、それにおばあちゃまの娘と、○○ちゃんのお母さんもやってるのよ」
私、その場を離れたくて、たまらなかった。
なんだかとても、居心地が悪かった。
ただ、娘が抱き上げられてて逃げ出せない。
私、押しが強い方だと思ってるんだけど、ここまで苦手タイプの人って関わったことがない。
よっぽど、「私も音大出てて…」って言おうかと思ったくらい。
ただ、それ言ったところで「ああそう」って言われる気がして。
「そうなんですか」と、アルカイックスマイル、浮かべるだけにした。
娘も、たぶん居心地が悪かったんだろう。
突然、「足の裏がかゆい」って言いだした。
下ろしてもらって、私の手をしっかり握りながら、足の裏かいてた。
いろんな人、いるね…。 オーディションの時って。

外で聞いてると、クラシック(オペラ)歌う人、かなりいる。
いいよね…私、ポップスだもん。
これ、オペラのオーディションじゃないもん、ミュージカルだもん。
声楽家以外だめなら、書類選考で落とされるはずだもん。
私の後の番号の、24〜5くらいの女性と、意気投合して話が弾んだ。
お友達は、52番だったそうだ。
3人で、「いいよね、ポップスで」って言い合った。
そうだよ。市民ミュージカル。
みんなで一つの舞台、作りましょうっていう、コンセプトなんでしょ?
プロ志向の人ばかりじゃないよね! (と声を大にして言いたかった)

長い時間待って、私たちの番になった。
声楽出身の人、やっぱり声が大きくて上手ね。
椅子に並んだ順に、審査が進んでいく。
外で待ってるのも嫌だけど、こういうの、もっと嫌なんだよね。
心臓がばくばくし、手が冷たくなる。
時間の都合で、みんな、1番くらいでカットされる。
私も、1番でカットされた。
まちがいはしなかった。前を見て、笑顔で歌った。
私の中では、そう、出来、悪くない。
メインの審査員らしい、演出の先生も、リズムとってくれてたし(*^_^*)
いいんだ。これで。できることは、やったのだから。
一通り、歌が終わり、台詞になる。
感情を入れて、読むのは、とっても好きな方。
これも私なりに、動きをつけて、やれたと思う。
でもね…私の前に、6人もいるとね…。
何をしても、前の人のまねみたいで、とってもやりづらかった。
でもいいの。私らしくは、できたし。

控え室で待っていた娘、どこかのお姉さんに、遊んでもらっていた。
娘が終わってから、2時間近くたつんだもんね。
ほんと、ごめんね。遅くまで。
娘、私の顔を見るなり、「上手にできた?」と聞く。
「わかんないけど、がんばったよ」 私が答えた。
「そっか。よかったね!」 優しい娘。
誰も知らなかったオーディションで、ちょっと友達みたいな人、何人もできた。
これから、何ヶ月か。楽しくできたらいいな。
それにしても、うちの娘。
こういう大人ばっかりのところでは、受けがいい(*^_^*)
たぶん、私より、ずっと人見知り、しないのね(*^_^*)
さあ…次は、顔合わせと配役発表。
楽しいミュージカルになるといいね。
さすがに私、くたくたになり、うちに帰った後、眠ってしまった。