1999.11.13
楽しかった土曜日
1月13日(土) レストラン I にて。
お客さん、けっこう入ってるな。
入り口に立った時、そう思ったのね。
そして、カウンターに座って、私を振り返って笑ってるよっこちゃんが目に入った。
コーラスのクリスマスライブの、チケット&チラシ&ポスター、作ってくれたみたい。
彼女、美術の短大、出てるのね。
とってもセンスあって。
レストラン I のマーク(お皿からチラシまで)の天使の絵も彼女の作品。
で今回、忙しい中、チケットなんかの制作をやってくれたの。
とってもすてきなチケットにできあがってる。
お見せできなくて…ほんとに残念。
当日の話なんかして、最近の近況を話して、これから中野店に行くという彼女と別れて私は仕事の準備。

着替えをすませ、帰ってくると、ピアノのすぐ横の席にご夫婦がいる。
なんとなく…見たことがあるような…。
会釈をすると、奥様が、「今日、やっぱり演奏だったのね」と微笑まれる。
50過ぎくらいかなあ…とっても若々しくて、すてきな奥様。
旦那様は、白髪の混ざった、ダンディなタイプ。
ピアノに向かって座っていると、ちょうど左側にお二人の席が見える。
なんとなく、視界に入るんだよね。
ずっと私のこと、見ててくれる奥様。
ちょっとだけ、左手が緊張する。
お料理が進んで。
メインディッシュ、ちょっとだけ時間がかかるみたい。
それを聞いた奥様、「ピアノを聴きながら待ってます」て。
ああ…責任重大。
普段なら、45分くらいで切り上げる1ステージ。
でも今日は、メインディッシュが出てくるまで、つながなきゃね。
昔の映画音楽や、スタンダードジャズを取り混ぜて、お二人の好みだと思う曲、弾いてみる。
メインが出て、落ちつかれた頃、弾き初めてちょうど1時間10分くらいだった。
演奏を終えると、拍手していただく。
ご挨拶に伺うと、とってもすてきだったって、言っていただいた。
私の指、しっかり見てていただいたんだとおっしゃる。
「ピアノって、ほんとにいろんなタッチで、音が変わるんですね…」
少しワインで上気した頬で少女のように目を輝かせた奥様が、ご自分もテーブルでピアノを弾くように指先を踊らせる。
「奥様の視線がとっても感じられて。ついつい、力が入りました」
笑って言うと、旦那様、「ほら見ろ」って、くすっと笑う。
「でもとても嬉しかったです。ありがとうございました」
お礼を申し上げ、「どうぞごゆっくり」と、席を離れた。
後で、Y子ちゃんが、耳打ちしてくれた。
お二人の初デートの思い出の曲、私、知らずに弾いたんだって。
アラン・ドロンの映画、「太陽がいっぱい」のテーマ曲。
ちゃんと覚えておかなきゃね…。
今度また見えたら、また弾いてあげよう。
すぐお近くにお住まいとかで、わりと時々、見えるのだそうだ。
あのご夫婦には、もう、土曜のピアニスト、覚えていただいたみたい。
よかったな…。

1999.11.15
♪雨に降られた月曜日♪
11月15日(月) レストランFて。
今日は、珍しく、平日の披露宴。
お客様の要望で、挙式の時のみの演奏になる。
雨が降り出し、ちょっとかわいそう。
お客様も、お車の方が多いみたいで、渋滞に巻き込まれたかな。
30分前になっても、なかなかそろわない。
どんなお二人かなあ…。
挙式のみの時は、お二人のこと、あんまりわからないんだよね。
スピーチとか聞けないし。
でも、幸せになってくれるといいな…。
心からそう願って、はじまる時を待つ。

ちょうど10分押しで、お客様がそろい、式が始まった。
いつもの牧師さんを迎えての挙式。
ピアノのことは、私にすっかり、任せてもらっている。
最初に仕事をした時は、こことここだけ、っていう指定があったんだけどね。
今は、お店のチーフにも牧師さんにも、ピアノを入れるタイミングや選曲まで、全く私に任せてもらっている。
これって、やっぱり嬉しいよね。
キュー出されて、ピアノ弾くの、なんか、やだもん(^^ゞ

新郎が緊張しながらの入場。
白いレースのドレスにつつまれた新婦さん、お父様と腕を組んで、入ってくる。
列席者が何人も、会場を動き回って、写真とったりビデオ回したりしてる。
こういうの、レストランウェディングならではの光景よね。
みんな、一番いいショット、撮ろうとしてるんだろうな…。
とどこおりなく式は進み、お二人の退場、披露宴の準備と移った。
今日は急いで帰らなきゃ…娘が待ってる。
ドア出たところで、髪を直してもらってる新婦さん。
「今日はありがとうございました」
とっても丁寧に、挨拶してくれる。
今日の披露宴、無事にすみますように…。
雨がやみますように……。
祈らずにはいられなかった。