2003.3.30
心優しきカップル
本当に久しぶりのブライダルのお仕事。
まあ、仕方ないんだよね。どうしても。
自分たちですべて選曲したかったりすると、ピアノにお任せ、じゃあだめだもんね。
でも久しぶりで、とても楽しみにしているパーティーだった。
リクエストがね、『ジャズでお願いします』だったの。J-POPはNGだって。
ピアノが好きな人なのかなって思い、大人っぽいパーティーになるのかなって、期待してた。
お天気も朝からよく、絶好のブライダル日和。
今日は夕方からのパーティーだったので、電車を使っていくことにした。
楽譜がたくさん入ったバッグを抱えていくから、いつもは自転車でそのまま行くんだけどね。
帰りが夜になることもあって、自転車は断念。
いつもより、ちょっと早めに家を出た。

国立駅に着くと、駅前の大通りが、すっかり桜祭りの準備ができていた。
そういえば、こないだ来た時は、クリスマスだったのよね。
桜の木も、うっすらとピンクのもやがかかっていて、もうあと少しで満開、といった風情。
うちのほうではまだまだだと思うんだけど、こんなに近くて、陽気が違うのかしらね。
フェルミエールのすぐ近く(数軒先)にオープンしたレストランのチャペルで、ちょうど式が終わったところらしい。
さて…私は早く準備しなきゃ。
黒のロングドレスに着替え、今日はボレロを羽織る。
ご親戚の方、ご友人の方、次から次へと見えて、レストラン内がどんどん、パーティーモードに変わっていく。
私も、今日のタイムスケジュールの流れを確認して、準備万端。

今日の新郎新婦は、7年もの長い春を乗り越えて結ばれた、運命のカップルだったみたい。
お互いにYMCAで活動してきて、今は教育や福祉の仕事に携わっているらしい。
二人を見ていると、すごく優しそうで、あったかいカップルなんだな、というのが、初対面だけど感じられた。
ケーキカットやワインサービス、お色直しなど、メニューが盛りだくさんのパーティーで、新郎新婦はとても忙しそうだった。
こういう式にしたい!っていうイメージが、きっとはっきりしてたのね。
阪神大震災でボランティアをしていた話や、キャンプなどで障害をもった方との心温まるエピソードなどお二人の人柄がしのばれる話も、随所に聞かれた。
私は、リクエストのジャズを中心に、映画音楽や洋楽ポピュラーを取り混ぜ、かなり大人の雰囲気のパーティーのお手伝いができたんじゃないかしら。
最後に、新郎のギターと新婦のピアノの伴奏で、YMCAのキャンプでよく歌ったという『ぼくが歌う愛の歌』という歌のプレゼントがあり、花束贈呈・謝辞へと進み、あたかかい拍手の中、無事にパーティーは終了した。

最後の最後まで、お客さんに気を配り続け、精いっぱいもてなしていた新郎新婦。
これが、レストランウェディングのいいところなのよね。(もっとも、当事者はものすごく大変だけど)
主役としてひな壇に並び、流れに乗って言われるがままに行動する、式場での披露宴と違って。
レストランウェディングは、自分たちがもてなす立場、スタッフの一員なのよね。
新郎新婦の心遣いが、そのまま、お客さんに伝わるし、いつまでも心に残るいいパーティーになるかどうかがかかってくると思う。
今日の二人に、本当にお疲れ様、を言いたい。
きっと、来てくれた一人一人に、いつまでもいい思い出を残したことだろうと思う。

2004.2.03
《みゅーじっく・わごん》に参加したよ
私がネットで参加している「ぱどタウン」というコミュニティスペースがある。
そこで、いろんな人と知り合ってきたのだけど、かけがえのない出会いがあった。
ヴォーカリスト・Hさnとの出会い。
彼女は、神奈川県在住で、童謡やオールディーズを歌う、ヴォーカリストさん。
大学生?くらいにしか見えない小柄でキュートな体から、パワフルなハスキーヴォイスが飛び出す。
ぱどで知り合い、書き込みを続けていくうちに、ひょんなことで私、彼女にピアノを教えることになった。
横浜から我が家まで、たぶん電車を乗り継いでも3時間近くかかるんじゃないのかなあ…。
『大変じゃない?』と聞くと、笑顔の返事が返ってくる。
「そりゃそうなんだけど、レッスン予約してがんばって電車で来るって決めておくと、やらなきゃって思うんだよね。」
たしかにその通り。やらざるを得なくなっちゃうね。
去年の春から、忙しい仕事の合間に、ピアノと簡単な弾き語りの伴奏などを習うことになり、今でもそれはずっと続いている。

去年の秋だったか。
彼女から、興味ある話をもらった。
彼女の伴奏として、一緒に活動してみないか?って。
ほんとに嬉しかった。
小さい子のリトミック教室などで、だいぶん勝手はわかってるつもり。
童謡や子供向けの歌なら、私も好きだし、いろいろ楽譜持ってるし。
なにより、すごく楽しそうでやりがいがあるじゃない?
プロのミュージシャンと、一緒に活動するなんてね。
急いで私、履歴書を作り、写真を撮って彼女に郵送した。
彼女経由で、とある事務所に話が通り、とにかくやってみよう、ということになった。
『ハニーとのんのん』 これもけっこういいかもしれない(笑)
川崎の方の保育園で、ライブしてほしいというオファーがあり、さっそくそれに参加させてもらうことになった。

今回は、Hさんと私、それからギタリストのUさんとのトリオということになった。
Uさんは『ミュージック・ワゴン』の代表であり、作詞作曲や演奏活動もこなすプロのギタリスト。
ぱっと見、P鈴木にも見える印象的な風貌で、とても頼れそうな感じの方。
年末年始、ライブが目白押しのHさんの仕事の合間を縫い、うちで合わせたり、横浜の方のスタジオに行ってリハーサルをしたりした。
ああいうスタジオって、ほんとに久しぶり。
ちょっとだけ、コーラストリオで活動してた時、スタジオで練習してたんだよね。
大学生の時、友達のバンドの練習も時々、見に行ったなあ…(*^_^*)
スタジオにはキーボードしかないけど、それでギターと歌と合わせ、きっかけや雰囲気を何度も練習した。
とにかく今回は、子供が対象。
子供たちが聞きながら、一緒に口ずさんでくれるような、少しゆっくりのテンポで演奏しよう、ということになり、伴奏もハニーの指示に合わせ、バリエーションをつけてみた。
メドレー曲は、タイミングや入り方も覚えなきゃいけないし、いつもソロで演奏してる私にはなかなか大変でね(^^ゞ
ソロだったり、伴奏だけだったりすると、伴奏のコード、わりにその時の気分で弾いても大丈夫なのね。
でも、そこにギターが入ったりすると、コード、確実に同じじゃないと、変なハーモニーになっちゃう。
他の楽器とやるのって、そういうところが大変なんだなーと、あらためて思ったりした。
Hさんが作ってくれたプログラムにそって、どんどん合わせていくんだけど、二時間、三時間なんて時間、あっという間に過ぎてしまって。
最後のリハの日、娘が熱の風邪から発疹が出てしまい、焦って病院に連れて行き、せっかくのリハーサルの予定を当日キャンセルしてしまったりして、迷惑をかけてしまった。
何とかその後、調整してもらって、もう一度リハができたけど、これって怖いなあと、改めて思った。
自分のことなら、這ってでも当日に穴はあけないつもりで来たし、今まであけたことないけど、家族の状態も、完璧にしておかなきゃいけないんだよね…と。

さてさて…当日、1月22日の朝。
前日の晩、よく眠れなくてね。ものすごく緊張してたんだと思うんだけど、ちょこちょこ起きてて。
余裕あったつもりなのに、朝の仕事を済ませてうちを飛び出して、でも何とか電車に間に合ってね。
予定の行程は全部クリア、バスにも乗れ、無事に時間前に、会場入りすることができた。
K保育園は、住宅地の中にある、こじんまりとしたアットホームな園だった。
そういえば最近、保育園には縁がなかったなあ…。
子供たちも人なつっこく、先生方もおっとりした感じで、あったかい所なんだなあと思った。

Uさんのワゴンから、今日の機材(楽器やPAね)を運び、先生方に挨拶をし、さっそくホールのセッティングにかかる。
子供たちが大きなサッシからこっちをのぞいてるけど、どんな風に見えてるんだろうね。
マイクの調整も済ませ、軽く音出しし、気がついたらもう時間。
リハする時間があればよかったんだけど、仕方ないねぇ…(^^ゞ
私は白地に黒の水玉ワンピース、Uさんはアロハシャツに白パンツ。
いったん部屋の外で待機し、先生方のご挨拶と紹介で、Uさんと先に会場に入り、ギターとピアノによる『おさかな天国』で幕開けし、Hちゃん登場。
ピンクのブラウスにレースのミニスカートがふわっと広がり、子供たちに『可愛い!』と大受けだった。
自己紹介や楽器紹介を入れながら、次々と予定の曲を歌っていき、子供たちも一緒に歌ったり、手拍子をしたりと、なかなかいい雰囲気。
そうそう、私はピアノの『のんのん』と紹介され、Uさん、なんと『Mr.パキョー』という謎の外国人という設定でね(^^ゞ
子供たち、きっと最後まで、ほんとに外国のおじさんだと信じてたんじゃないかしら…(*^_^*)
あっという間に時間が過ぎていき、前半の歌を終了し、Hさんのお色直しの時間に、私が絵本の読み聞かせをすることになっていた。
『音楽鑑賞会の一部』ということで、今回、私の読みにUさんがBGMを付けてくれることになってたのね。
私が選んだのは『でんしゃでぽっぽー』という動物の絵本。
お花をつんで電車を作り、みんなでおばあちゃんの家まで電車ごっこをするという内容でね。
途中、いろんな動物が乗ってきたり、スピードが上がったりと、内容はそんなに難しくないんだけど。
『シュッシュッポッポ』という音が何度も出てきたりするところがリズミカルに読めそうで、リハの時、Uさんもさらっとギターを入れてくれて、実際やったのは2度目。(ほとんどぶっつけ本番ね)
コンビネーションもうまくいき、絵本にない言葉を補足したりもしながら、楽しく読み聞かせることができたと思う。
さて後半、ということになったんだけど、どうも予定の時間をオーバーしちゃってたようでね。
その後は、予定の曲からピックアップして、最後は『僕らはみんな生きている』で、子供たちも立ち上がって大声で歌ってくれて、楽しいコンサートも終わりとなった。

初めてのメンバーでのステージだったけど、とても楽しかったし、いい経験になった。
子供たちも先生方も、楽しんでくれたようだったのが一番嬉しかったしね。
日ごろから、音楽にかなり親しんでるようで、1時間を越えるコンサートだったのに、とてもしっかり参加してくれた子供たちが、とても嬉しかった。
また、こういう機会、あるといいなあ。