1999.12.16
♪クリスマス一色の日♪
午前中、キッズクラブのクリスマス会。
ちょっと寝不足もあり、体調は万全じゃない。
でも、精いっぱい、やらなきゃね。
さっそく出かけていって、ホールで準備する。
スマイルの3人の先生方、ホールの飾り付けもしたのね。
劇の準備もやってるな。
突然、M先生が、言いにくそうに言う。
「クリスマスイブ、カラオケで準備してるそうなんで、今日はいいんですって。ごめんね…」
仕方ないよ、幼稚園側との連絡が行き違ったんだもの。
スマイルの先生のせいじゃないしね。
集まってきた子供たちは、40組くらいかなあ。
スマイルにいつも遊びに来てる(登録してる)子なので、なんとなく見覚えがある顔が、あっちにもこっちにも。
いよいよ始まって、ごあいさつと注意があって。
スマイルに毎日いる子供たちの、ダンスになった。
CDが、とぎれとぎれになる。  …なんで???? 
CDの調子が悪いのかな。
ピアノで弾いてあげたいんだけど…それもまずいのかしら。
あわてた先生が、ホールへの放送で、流してくれることになる。
子供たちのダンスは、とっても上手だったんだけど、もうめいっぱい、動揺しちゃった。
さらに、小さい子って、走り回るんだよね。
1人、ピアノの所に来ちゃった子がいて、ついつい、そっちに気を取られて。
気がついたら、劇が始まっちゃうことになって。
頭の中、真っ白で、一つ、出を間違えちゃった。
もうみんな、ぼろぼろになってる。
劇の後の手遊び歌でも、用意してた小物が、一つ足りない。
とりあえず、お菓子を配って、サンタさんたちの寸劇を見て(これ、けっこうおもしろかった。あれ、演劇してる人たちかなあ…)
1人ずつ、プレゼントをもらって写真を撮って。
終わった時には、子供たちは、とっても笑顔だった。
ほんとにバタバタだったけど、とりあえず、無事に終わったね。

さて午後は、リトミックのクリスマス会。
BGMのクリスマスソング、録音して、最後の確認をして。
幼稚園のお迎えとともに、公民館に向かう。
今、登録してる子は、姉弟を含めて10人。
今日は、全員出席だった。
ほんと…ものすごく久しぶり。
とっても嬉しかったし、いつも来てくれてるH幼稚園のママたち、嬉しそうだった。
人数が少ないと、つまんないもんね。
先日、幼稚園でのクリスマス会を終わったばかりで、子供たち、大きな声でクリスマスソングを歌ってくれる。
歌を歌って、手遊びをして、リズム遊びをして。
休憩をはさんで、ダンスをして、歌を歌って、曲あてゲームをして。
プレゼントを1人ずつ渡し、最後に体操をしておしまい。
いつもの、90分くらいのレッスン、無事に終わった。
途中、端に行って座ってる子もいるけど、ところどころでも、参加してくれたら嬉しいな。
楽しかった!って、言ってくれて、みんな、喜んで帰ったみたい。
ミッキーのブーツに、お菓子が詰め込んであるプレゼント。
喜んでくれただろうか。

来年のリトミック、こういう調子で、続けられたらいいな。
好きだって言ってくれる子のためにね。
今日は、ちょっと、サンタクロースになった気分の1日だった。

1999.12.25
お休み前の最後の日
1999年12月25日。クリスマス当日。
レストラン I での、最後のお仕事の日。
もうこれで、2度とない、ってわけじゃない。
ただ、どうなるか、全く予想がつかないんだもの。
私の気持ちとしては、これから長いお休みに入るって思いたい。

いつものレパートリーに加え、クリスマス曲を用意していった。
まだ、クリスマス。十分、クリスマス。
今日は、ディナーの予約が入っていると、ホールのY子ちゃんが教えてくれた。
18:00を少し回った頃。
何度かお目にかかった、4人連れのお客様が見える。
ご年輩のご夫婦と、娘さんとそのお子さん。
とてもお近くに住んでいるとのことで、月に何度か、見えるらしい。
前、ピアノをとっても気に入っていただき、拍手やリクエスト、何度もいただいたお客様。
「赤鼻のトナカイ」「あわてんぼうのサンタクロース」など、ピアノに合わせて、お席でちっちゃいお客様の、大きな声が聞こえる。
ほほえましいね、ほんとに。
ジャズの曲、昔の映画音楽と演奏し、最後に「聖しこの夜」で1回目のステージを閉めると、大きな拍手をいただいた。
ちょっと休憩し、ごあいさつにうかがうことにする。
「いつもありがとうございます」「今日はほんとに、子供が喜んでるんですよ」と言った会話の後で、今日でおしまいだとお話しする。
ご夫婦も娘さんも、びっくりされた様子で、「今日来れてよかった」と言われた。
小さな男の子が、きらきら光る目をして、私をまっすぐ見て聞く。
「いつ来るの?」
口ごもる私に、なお、たたみかけるように
「いつ来るの?」
子供に、無理な約束はできない。
「いつってお約束できないけど、来れるようになったら、絶対に来るね」と私。
「いつかなあ?」
「ん…来年になったら」と私。
お母さんが、口を挟む。
「○○君が1年生になったらだよね…」
あら…うちの娘と同じ年。さらに、親近感がわく。
最後のリクエスト、いただくことにする。
男の子のリクエストで、「ママがサンタにキッスした」「諸人こぞりて」を、弾くことになった。
ついでといってはなんだが、他のテーブルにも回り、リクエスト、いただいてきた。
男の子のリクエスト曲になると、歌声が聞こえる。
ちょうど、ピアノの席から、顔が見えるのね。
ソファに後ろ向きに座り、こっちを見つめている、小さな男の子。
目が合うと、ニコニコ笑ってくれる。
他のリクエストにうつり、しばらくすると、お帰りになるご様子。
ちょっとピアノのそばに近づいた男の子、「バイバイ」と手を振る。
「またね」 ピアノを弾きながら、笑顔で返す私。
そのまま、お帰りになり、他のお客様のために、ピアノを30分くらい、弾き続けていた。

次の休憩の時。
Y子ちゃんが教えてくれた。
「あの男の子、帰る時、泣いちゃったんですよ」
胸を突かれる思いがした。
私には、笑顔を見せてくれたのにね。
レジ前で、泣いちゃったらしい。
「あのくらいの年になると、ちゃんと覚えていますよね」Y子ちゃんが言う。
ほんとに、覚えててほしい。
できることなら、スパゲッティ屋さんのピアノのお姉さんって、覚えててほしい。
ピアノに合わせて、歌を歌ってくれたこと、いっぱい拍手してくれたこと、忘れないでほしい。
私も、あなたの瞳、忘れないよ。
今までに出会った中で一番小さな、私のピアノのファンだったあなたのこと。
あんなにすてきな男の子に育てたお母さん、おじいちゃんおばあちゃんご夫婦のことも、忘れないよ。

今日は、たくさんリクエストをいただいて。
とっても気持ちよく、ピアノが弾けた。
いつまでもピアノ、弾いていたかったけど。
帰る時間になり、2ヶ月ちょっとの、私のレストラン I でのお仕事、幕を閉じた。
短い間だったけど、私、このお店、とっても好きだった。
知り合えたスタッフの人たちとも、細々とでもいいから、知り合いでいたいな。
「絶対に忘れませんからね」
ちょっと涙目になったY子ちゃんと、握手した。
週に1度、土曜だけだったけど、でも、ありがとうね、みなさん。
見上げた星空は、とっても風が冷たかったけど。
あったかい気持ちで、歩くことができた。