2001.11.19 |
伴奏ピアニストとして |
近所に住んでいるI先生とは、市民ミュージカルで知り合い、私の大学の先輩でもある。(声楽家なので専攻科は違うけど) 市民ミュージカルでも事務局を勤めさせていただいているという関係で、今回、I先生の音楽発表会の声楽の伴奏をさせていただくことになった。<BR> 声楽の伴奏は、昔からとても好きで、高校のころ、大学のころ、よくやっていた。<BR> クラシックピアノで自分を表現するのは難しいけど(音を出すので精一杯という曲が多い)、歌の伴奏は気持ちが入れやす<、歌い手さんの呼吸に合わせて、抑揚をつけて弾きやすかった。 大人の方(社会人になって趣味で歌を続けてる方…すごいよね)が4人、高校生が2人、それに先生!!の伴奏ということになっていた。 10月最初に、楽譜をいただき、正直、とてもドキドキした。 今までやったことがある曲、知ってる曲はまだいいけど、譜読みが大変だ…。 最初の伴奏合わせの日まで、約2週間。 他の予定などもあり、時間を作ってはピアノに向かったが、これぞ!という出来ではなかった。 最初の伴奏合わせの日の朝。 自宅でほんの少し、ピアノを弾いてくることができたけど、やっぱり緊張する。 何曲か弾いているうちに、少し緊張も取れ、指も動くようになったけど、苦手意識のある曲は、やっぱり納得が行かない出来。 いろんなアドバイスを受けながら、「次回までにちゃんと見てきます!」というのが精いっぱいだった。 でも、歌に合わせて弾いて、自分の中で、曲全体のイメージはできた。 全体の流れがわかり、それで伴奏のイメージがつくと、とても弾きやすくなる。 歌い手さんたちとの呼吸もあるから、発表会までの毎週、合わせていただくことにした。 やっぱり、練習回数を積まないと、自信が持てないもんね。 今回の発表会では、今年の夏の英語ミュージカルの中から歌を何曲か取り出して、歌だけのステージも組まれていた。 先生の生徒さんの中にもミュージカルの出演者がいて、それに私と娘も参加させていただくことになった。 娘はアリ役とエイリアン役。 私は2つやったうちのエイリアンの方だけ。(でもデュエットがある) アリ役は、15人でワンフレーズずつソロが入るようになっていたが、今回のステージでは、娘とカナちゃんの2人だけの出演だったので、前半の8つのフレーズを娘が、後半の7つのフレーズをカナちゃんが、一人でやることになった。 娘もカナちゃんのピアノのレッスンの時に呼ばれて、歌の稽古をさせてもらうことになった。 家から歩いても5,6分という距離だし、娘のレッスンだからと、あえて娘一人を行かせた。 レッスンから意気揚揚と帰ってきた娘は、「ちゃんと大きな声でうたえたよ!」と得意げだった。 二人はミュージカル公演のときにも仲良しさんでがんばったし、任せておいて大丈夫だろうと、あまり心配ではなかった。 私抜きのレッスンという体験も、大事だと思ったし。 母親がいないほうが、娘も成長するのかもしれないね。 いよいよ、発表会当日。11月10日の朝。 お昼過ぎに、ホールでのリハーサルがあるため、午前中に最後の自宅での練習。 伴奏譜だけじゃなく、ミュージカルナンバーの方の衣装も用意して、何度も忘れ物を確認して自宅を出た。 あいにくの雨。 そんなに強くはなかったけど、それでも出かけるのがとても大変。 モノレールで行って、いやバスで行って、などと考えながら、結局、荷物のことを考え、完全武装して自転車で向かうことにした。 それにしても、私は晴れ女、娘が雨女。 こういう時、親子の力関係がわかるの…?(^^ゞ 雨の中、自転車を可能な限り飛ばし、予定通りに会場に到着。 余裕を持って出てきたから、身支度にも時間が取れる。 舞台でのリハーサルも何とか終え、後は本番を待つのみとなった。 1部がピアノの発表会、2部が声楽の発表会、そして3部がミュージカルナンバーになっていた。 5:00pmに開演し、プログラムは次々と進んでいった。 娘はカナちゃんたちと一緒に、会場でピアノを聴いていたようだが、私は歌い手さんたちと打ち合わせをしたりしていた。 時間が経つに連れて、だんだん緊張が高まる。 やっぱり久しぶりだもの…上手に緊張するのならいいんだけどね。 声楽のステージの最初が、高校生の歌。 緊張のあまり、音がいくつか外れてしまった。 ポピュラー曲(アニメの挿入曲)だったから、ちょっと苦手意識もあったんだけど、それは言い訳にしかならない。 頭が真っ白になりそうなのを、どうにか落ち着かせて、最後まで弾き終えた。 2人目もポピュラー曲だったけど、こっちはなんとか、立ち直ることができた。 次の曲は違う伴奏者だったので、いったん舞台から降りた。 「Nonさん、落ちついて。落ちついて。」I先生もさすがに焦っていらしただろうけど、私には笑顔を見せてくれた。 その1曲の間に気持ちを立て直し、次に続くクラシックやミュージカルナンバーの伴奏は、練習どおり落ちついて弾けたと思う。 最後にもう一度戻り、あらためてI先生と一緒にステージに出た。 ゴスペル2曲で、少し不安ではあったけど、先生の足を引っ張ることはなかったかな…(どうだろう…) とにかく、何とか無事に伴奏ステージを終え、心からホッとした。 ミュージカルナンバーのステージ、2曲目が娘たちの「アリ」の歌。 簡単なステップなどの振りがついていたから、気になって舞台袖で見ていたが、1曲目の子供たちが戻ってくると同時に、娘とカナちゃん、元気いっぱい、舞台に飛び出していった。 袖からの横顔しかわからないけど、一生けんめい、のびのびと歌って動いているのを見て、なんだかとてもホッとした。 去年の「欅」の舞台では、長時間ということもあり初舞台ということもあって、「見せる」意識がまだなく、何度も私に怒られた娘だったけど、今年の夏の舞台も経験し、また一回り成長したように思えた。 後奏のところで幕に駆け込み、一番最後で二人並んで顔を出して最後の歌詞を歌うのだけど、最後まで二人とも堂々とした演技で、お客さんの盛んな拍手をいただいた。 娘たちをほめてやる間もなく、次のエイリアンの衣装へと早替え。 間に2曲あって、それから私と娘が出る「エイリアン」のステージ。 オペラのアリア調のデュエットが間に入り、これがとても自信がなくて心配だったのだけど、まあなんとか、歌うことができたと思う。 舞台の上では、自分の声があまり聴こえないので、ちょっと心配だったけど、リハーサルの時、十分聴こえた、と言っていただいたから、なんとか大丈夫だろう…。 ミュージカルナンバーの最後の曲、タイトルロールの「LIFE IS FULL OF DANCE」の全員コーラスもとても盛り上がり、会場からの手拍子に包まれ、無事、最後まで終了した。 終了後、会場に来てくれたミュージカルの時の出演者さんたちに「Nonさんって本当にピアニストだったんですね!」と言われ、思わず苦笑。 ノーミスの完璧な演奏だったらよかったんだけど、今さら言っても仕方がないしね…。 それでも、ミュージカルに出演した私しか知らなかった人たちに「とても生き生きしていました」と言われ、照れ笑いをしてしまった。 集合写真を撮り、ミュージカルの方のピアニストやバイオリンの人と一緒に、カナちゃんのお母さんが用意してくださった手作りのテディベアをいただいた。 私と娘と色違い(ブルーとピンク)のテディでとても喜んでいたら、楽屋に戻った後、カナちゃんのお母さんにこっそり、さらに小さなテディを渡された。 「家族にしたかったから…」 Aさんの笑顔に、感謝以外の言葉がなかった。 うちの家族構成をわかってるAさん、もう一つ、小さなピンクのテディ(たぶんパパとママと娘ね)を作ってくれたらしい。 Aさんには、今年のミュージカルの時にもとてもお世話になり、私が一緒に出演してることもあって、私がいない時、娘のこともとても気にかけていただいたりして、本当にいい方だと親子で実感していた。 ピアノで出演した他の生徒さんが、たくさんのお花をもらっていたりして、ちょっと娘、しょげていたんだけどこのテディと、夏のミュージカルの出演者さんが用意してくれたお花で、とってもご機嫌だった。 終わった時には、8:30pmを過ぎていて、もう雨はやんでいた。 自転車に荷物を積み、ゆっくりペダルを漕ぎながら、娘をたくさんほめた。 「あのね、おきゃくさんがじーーっと私を、口をあけてみてたから、ちょっとこわかったんだけど、さいごにニコ!ってわらってくれて、とてもうれしかった。」と娘。 ふうん…観客を見るなんて、ずいぶん余裕が出てきたのね(*^_^*) 「そっかあ…しーちゃんのこと、とっても可愛い!って思ってくれたのよ。」なんて言いながら、私も嬉しかった。 私の娘だから、ついつい、舞台に参加することも多いし、ちょっと反省したりすることもあるけれど、娘が自分で、舞台という場を楽しめるのであれば、このままでもいいのかな…?と思えた。 そう、無理やりじゃなければ、いいんだもんね。 緊張した発表会は、無事に終わった。来年もまた、参加したいな…。 それまでに神経、もっと鍛えておかなきゃ。 |
2001.12.13 |
♪キッズクラブのクリスマス会♪ |
託児の手伝いをしているF幼稚園のスマイルキッズクラブで、クリスマス会があるという話を聞いた。 45分くらいの短い劇の企画で、その劇中の音楽や歌の伴奏、BGMの担当が私になった。 キッズクラブのお芝居に参加するのは初めてではないので、先生方も安心して任せてくれることになったらしい。 こういう劇中音楽って、好きなんだ…(*^_^*) 任せてもらってる分、とってもやりがいがあるしね。 今回のお芝居は、「アンパンマンとバイキンマンとサンタさん」のお話。 (タイトルがないんだけど…まあ、そのまんまなの) 最初に流れを書いたコピーをもらって、自宅でさっと目を通した。<BR> 今回初めて、『タングラム』というものを、劇に取り入れるようにしたらしい。 タングラム、っていうのを知ってる人、いるだろうか? 詳しい説明はわからないのだけど、パズルみたいな感じかな…。 四角や三角の積み木がぺったんこになった板を想像してほしい。 四角の上に三角を置くと、『お家』になるよね。 そういう感じで、たくさんの四角や三角などの形を組み合わせて、いろんなものを作っていく。 子供用のタングラムは、これが立体になったもの。 四角や三角の薄いパネルを作り、それに手を入れるところを作って、後ろから持つ。 それで、黒子さんが何人かで、形を作っていく。 前から見たら、バラバラの四角や三角が、突然一つの形になって、それがどんどん変わっていくのね。 うまく説明できてたらいいんだけど…。 それで、サンタさんが子供たちに、いろんなものを見せてあげるっていうストーリーになってるらしい。 この、形が変わる時の転換の音楽と、違う形ごとのテーマ曲と、それが今回の演奏のメインになっていた。 17日月曜日。 リハーサルに出席した。 本番の幼稚園のホールを使って、ピアノと劇の合わせ。 忙しくて、台本、斜め読みしただけだったから、よく流れがつかめてない…。 タングラムのところ、進行がとっても早い。 セリフを2つ3つ言ったらすぐに形が変わるから、のんびり曲を弾いていられない。 進行役のA先生、実は私の友人で(娘が幼稚園に入る前の公園仲間だった)、付き合いが長い分、私のこともよく知っているし、リクエストもとっても単純明快(*^_^*) 「このチェンジのところ、ジャーン、って弾いてくれる?」 「わかった。」 聞いてる人も当人同士も笑っちゃうような、こんなリクエストで、打ち合わせが進んでいく。 言われるままに、音を出し、「そんな感じ。」で、何となくO.K。 あとは本番のタイミング次第になる。 劇の進行とうまく合うか、とても不安だけど、当日のリハーサルまでにもう一度、進行を考えなきゃね。 さて…当日の20日木曜日。 朝からとっても寒くて、指がかじかんでいる。 冬の寒いところでピアノを弾いた人にはわかるんだけど、グランドピアノって寒いのよ(^^ゞ 暖房がまだ効いていないところだと、ピアノの中の空気がとても冷たくて、鍵盤を押すたびに、鍵盤の隙間から冷たい空気が出てくるの。(嘘みたいなほんとの話) ピアノって生きてるな…って思う(^^ゞ 始まる前に、全員で、最後のリハーサル。 前日の夜、台本を元に、演奏プログラムを作ってみたんだけど、何とかこれでいけそう。 予約では100組の親子(幼稚園前の子供たち)だったけど、60組くらいの親子が集まった。 (子供関係ではよくあるの。無料だし、体調や天気で休むことはしょっ中) 10:00スタートの予定が、時間を過ぎて集まる人が多くて、10分は遅れた。 進行のA先生のお話で「♪はじまるよ」の歌から演奏をスタート。 「♪トントントントンアンパンマン」の手遊び。(ひげじいさん、の変形) そこに、バイキンマン(M先生)アンパンマン(I先生)の登場。 アンパンマンは「♪アンパンマンのテーマ」、バイキンマンは「♪アンパンマンのテーマ」の短調バージョンにしてみた。 (♭をつけるだけで、おもしろいくらい暗くなる) 二人と一緒に、「アンパンマンマーチ体操」。(これはCD。Y先生) お母さんと一緒に来た子供たちも、まだ固まってるけど、少しずつ、笑顔が見えたり、楽しそうになってくる。 体操が終わってすぐ、バイキンマンがこそこそと退場。 残ったアンパンマンも、「♪アンパンマンのテーマ」に合わせて元気よく退場。 そこへ鈴の音。 「♪サンタが町にやってくる」に合わせて、サンタ(K先生)が登場。 A先生とサンタが会話して、舞台が進む。 「サンタさん、なにで来たの? 車? それとも歩いてきたの?」 「わしは、トナカイに乗ってきたんじゃ。」 「どこに行っちゃったのかしら…。みんなでトナカイさん、呼んでみましょう!」 子供たちも大声で、「トナカイさーーーーん!」 ここで音楽をチェンジ。 「♪ジングルベル」に合わせて、トナカイの形に作ったタングラムの陰に隠れながら、黒子になったM先生、I先生、Y先生が登場。 一片40cmくらいある四角や三角のパネルを両手で動かしたり、持ってみせるから、先生方も大変。 (動かすより、そのままキープする方が大変かもね) トナカイが次にもみの木に変わり(「♪チェンジ!」の曲→「♪もみの木」)。 次に子供たちが待っているお家に変わり(「♪チェンジ!」から「♪雪やこんこん」)。 次に大きな靴下に変わり(「♪チェンジ!」から「♪ママがサンタにキッスした」)。 それから大きなプレゼントの箱に変わり(「♪チェンジ!」から「♪Here comes Santa Claus」)。 最後に、プレゼントを開けると大きなロケットに変わる(「♪チェンジ!」から「♪We Wish a Merry X'mas」) この流れが、スムーズに行ってよかった。 それぞれの曲が、1フレーズで終わる感じで、ちゃんと見ていないとタイミングがずれてしまいそうでとても気を使った。 最後のロケットも、A先生とサンタさん、子供たちの掛け声に合わせ、宇宙に飛んでいき(ここは「ドッカーン!」というBGMの指定だったので、高低をつけた和音とグリッサンド(鍵盤を上→下or下→上に、手の甲を滑らせて弾くこと)で何とか表現できたと思う)、先生たちがタングラムを持って退場したあとに、本当のプレゼントとサンタさん、A先生が残った。 プレゼントを配るのが大変だ、というサンタさんの声を聞き、アンパンマンのお面をもったバイキンマンが登場。 (「♪アンパンマン・短調」) プレゼントをうまく預かり、お面をはずしたバイキンマンが(「♪変身!」→「♪アンパンマン・短調」戦闘バージョン)サンタさんを叩いたり蹴ったりして、転ばしてしまう。 A先生と子供たちが大声で「アンパンマーーーーン!」と叫ぶ中、本当の「♪アンパンマンのテーマ」に乗って本当のアンパンマンが登場。 バイキンマンを倒し、ガッツポーズをして(「♪ファンファーレ」)サンタさんを助け、元気よく退場。 助けてもらったサンタさんに、会場の子供たちが、プレゼントをもらうため、一人ずつ舞台に上がり、(この間は、BGM風に「♪あわてんぼうのサンタクロース」「♪ウィンター・ワンダーランド」などクリスマスメドレーを弾いていた)、最後はみんなで記念写真をとる、という形で、今回のお芝居、無事に終了した。 終わってみると、予定より短くなったけど、子供たち、楽しんでくれたと思う。 バイキンマンとサンタの戦闘シーンで、突然鳴った大きな和音に驚いたのか、赤ちゃんが大泣きしてしまい、それは申し訳なかったけど…(^^ゞ タングラムは、子供たちよりお母さんたちに感心されていたようだった。 40分くらいのお芝居だったけど、緊張もしながら、私自身、とても楽しむことができた。 M先生の「やっぱりNon先生のピアノがあると、やりがいがあるよね! とっても動きやすいし、音楽に助けてもらってのびのびできるし。」という言葉、本当に嬉しかった。 喜んでもらえる演奏って、ほんと、楽しいわ。 |